みことじぷろっと

ストーリの流れ


神子「屠自古、おっぱいを飲ませてください」
有無を言わさずグーパンチをする屠自己。
ボロボロになりながら言い訳をする神子様。
話を聞く限りだと、何でも最近寺の人から新しいお茶をもらったそうだ。
ココで屠自古が怪訝そうな表情をとる。「理由>何故寺の人間と親しくするのか」。が、その事は直接口に出して言わない。
話に聞く限り、どうやらそのお茶とは紅茶の事で、何でもその時の味が忘れられないくらいおいしかったそうだ。
だがそれを家で試してみても一向にその味が出ない。
仕方なしに神社に聞きに行ってみると、寺の僧である雲居一輪が言うには「ヒントはおっぱい」だそうだ。
それ以外の情報を引き出そうと思ったが、思考がおっぱいの壁に阻まれて抜け出すことができなかったという。
なので、おっぱいを屠自古にねだったというのが先ほどの顛末。
「どうにかあの味が再現できないものでしょうか」
それを屠自古を抱きしめながら悩みこむ神子様。
念のための拳骨追撃を加えてから、屠自古はその晩こっそりと部屋を抜け出すことにした。


餅は餅屋。
早速屠自古は命蓮寺へと赴く。(正直、気は重い)
すると中からは先ほどの雲居一輪が出てきた。
「ほほー、アンタが先ほどのスケベヘッドフォンの奥さんねー」
舐めまわす様ように眺める一輪。
帰ったら殺そうと決意する屠自古が要件を話すと、一輪は「それ作ったの私だよ」という。
「教えて、くれませんよね」「勿論。そんな左手に鞘を持ってる人にはね」
指摘されてハッとするとじこ。ココに来てから一度も剣を手放そうとしてはいなかったのだ。
人の教えを乞いに行ってるのに、礼儀を怠っては人道に生まれてものとしての名折れ。
しかし相手は仇敵である、油断するわけにはいかない。
それを苦悩し、俯く屠自古。
数分ほど経て、そろそろ一輪が追い出そうとした所、突然屠自古が霊体の膝をつく。
一輪は土下座でもするのかと思ったが、屠自古はそのまま頭を下げない。
そして高らかに宣言した。
「貴女に教えを乞いたいが、私には何も返すものがない。尚且つ貴女は私にとっての敵だ。だから頭は下げない。それでも私はあの人の為に貴女を教えを乞いたいのだ。だから一度だけこの身を貴女に捧げようと思う。さぁ好きに使ってくれ」
それは毅然とした態度だった。迷いのない声で発せられる言葉はどれも力強くて、願いを乞うている者とは思えないくらいの堂々さがあった。
言ってしまえば突然の訪問での図々しい願いであり、それを得るために申し出た願いはまるで自分を捨てているかのような願いだ。
一輪は、そんな彼女の願いに大きな笑顔を見せて声を上げて笑った。
「アンタってば面白い人間だね。いいよ、教えてあげる」
「では私は何をすればいい?」
「いいよ、さっき見せてくれたのと引き換えでってことで」
「?」
屠自古は疑問たっぷりの表情を見せたが、一輪の顔は満ち満ちたりたような笑顔だった。

屠自古が去った後、見送る一輪の背後にそっと聖が現れる。
「満足そうですね」
「すみません、勝手に教えてしまって」
振りからずに謝る一輪。その謝罪は心からの言葉じゃないからだ
「いえ、改めてあなたが一番私の意向を分かってくれているとわかりましたから」
「勿論です」
「人も獣も妖も、万物等しく笑顔にする。それはもちろん、敵も味方でさえも」
「まぁ彼女たちには悪いことしましたからね」
「あら手厳しい」
「ふふ。まぁでもうまく行くといいですけどね」
心配そうに見送る一輪に聖は笑い、飛び去る屠自古の背中を眺める
「紅茶は新鮮な方が美味しいといけれど、千年単位で熟成した茶葉はコクと深みが増していてもっとおいしいかもしれないわ」
「だといいんですけどねぇ」
一輪も苦笑いをしながら見送る。


帰宅した屠自古はムワッとした部屋の温度と充満した匂いに驚く。
どうやら発生源はキッチンらしい。
そして犯人はもちろん神子様だった。
「何やってるんですか神子様」
「あれ?屠自古どこ行ってたのですか、探しましたよ」
「それよりこの匂いは(けほんけほん」
「いやぁ、うまく行きませんね」
テーブルの上には紅茶が入ったカップの山。そして料理本の山。
聞けば全て失敗作だそうだ。
どっと疲れが増したように肩を落とし、手から一輪から預かったレシピメモを落とす。
「これは?」
それを拾う神子様。
屠自古はそれをササッと取り返し
「お土産ですが、内緒です」
という。
気になりワチャワチャセクハラしてくる神子を尻目に紅茶を作り上げ、そして一輪のレシピにある「味を再現するのに足りなかったアレ」を入れる。
そのアレとはズバリ牛乳である。
しかもただの牛乳ではなく、砂糖と生クリームを足した特製牛乳だ。
それを入れて作られたミルクティは神子があの時飲んだものと同じものだ。
「コレです!コレ!うーまーいーぞー!」
眼から光を放ちながら喜ぶ巫女に優しいまなざしを送る屠自古。
そんな彼女が油断した瞬間に、口に温い液体が流し込まれる。
こくりとなる喉
それは先ほどまで神子が飲んでいたミルクティ。
神子が言うには「これからも二人で歩んでいく為の半分こ」という理屈だそうだ。
いいところ、ただ単に間接キスがしたかったための言い訳だろう。
そこには「仏・道」併せて救うという神子の深い意向があったのかもしれない。
だが、それは顔を真っ赤にして帽子を烏帽子で隠してしまうほどに照れるシャイ全開の屠自古には全く関係も興味もない話だったそうな