一見冷静に振舞ってみせて手の内や考え、感情を表には出さない豪族たちに囲まれて生きていた神子様は、
物静かな屠自古が、実は感性豊かなのに感情を見せないだけなのではないかと勘繰る。
というか、屠自古のために何かしても感謝の辞を述べるだけで手ごたえが無いので何か感じていてほしい。
(欲は自分の中から出てくるもの・感情はものごとや人から受けたものへの気持ちの反応と考える
 から神子様に判断はつかない)

布都に聞いてみるものの、太子様に何かしてもらって嬉しくない輩はいないと豪語される。
理解は出来ても腑に落ちない。

神子様は亡霊だからだろうかと考えて近くの命蓮寺を覗いて村紗を観察してみる。
寺の妖怪たちと話して楽しそうにしているのがうかがえる。
やはり足があるのとないのとでは違うのだろうかと考えながら戻る。

神子様は霊廟前で漂ってる屠自古を捕まえて地面に腰かける。屠自古は浮いたまま。
私には君がわからない、という神子様。ついでに足もちゃんとするよう布都に頼むとも言う。突然なので首を傾げる屠自古。
要約すると
誰の欲でも聞けるしそれを叶えることは容易いけども、欲を叶えてあげるのはその先の反応(=喜とか楽の+の感情)
を見たいから。だけど屠自古は感情を表にあまり出さないからわからない。少し不満。
ということを、不満を前面に出さないように伝える。

太子様に願いを聞いてもらって嬉しくない人はいないと宥められる。
それでもまだちょっとすね気味な神子様に、才覚だけで一を聞いて十を知るのだから熟練すれば百もたやすいでしょうとアドバイス。

今までたくさんの人の欲を聞くことを長く続けてよりわかるようになったんだから屠自古と長く居ればよりわかるのではない
と解釈する。むしろ人はわからないのに自分だけわかるという状況に出来る可能性にご満悦の神子様が屠自古に、連理の枝に
でもなりますかと誘い、どちらも死ぬにはもう遅いとつっこんで
END